「勝利への道」

これは37年間、高校野球に携わってきた中で学んだ事をまとめたものです。
勝利するためには、何が必要であるか?何をしなければならないか?野球部の選手に話してきました。

 校訓・野球憲章  攻撃の心得
 野球部・部則  走塁の心得
 野球部員心得十五箇条  ベースコーチの心得 
 練習方法  バッティングのワンポイント
 野球格言  試合細則・注意事項
 宮本武蔵「五輪書」より  野球規則
 野球連盟の歩み  用語の定義
 守備の心得   基本的なルール
 投手・捕手の心得  グローブの手入れ
 1塁手の心得  栄養を知らないで勝利者にはなれない
 内野手の心得  チームワークとは?(川上  哲治)
 外野手の心得  スポーツテスト・体力測定

 




校訓 自他尊重 部訓 礼儀・規律・節度

            

 日本学生野球憲章

  われらの野球は日本の学生野球として学生たることの自覚を基礎とし、学生たることを忘れてはわれらの野球は成り立ち得ない。

 勤勉と規則とはつねにわれらと共にあり、怠惰放縦とに対しては不断に警戒されなければならない。

 元来、野球はスポーツとしてそれ自身意味と価値とを持つであろう。しかし、学生野球としてはそれに止まらず試合を通じてフェアの精神を体得する事、幸運にも驕らず非運にも屈せぬ明朗強靭情意涵養する事、いかなる艱難をも凌ぎうる強健な身体を鍛練する事、これこそ実にわれらの野球を導く理念でなければならない。

 この理念を想望してわれらここに憲章を定める。

怠惰 たいまん (なまけること)

放縦 ほうじょう (かってきままで、だらしないこと)

 (おご)らず (あなどらず、軽視せず)

強靭 きょうじん (じょうぶで、ねばり強い)

情意 じょうい (考え、感情と意志)

涵養 かんよう (知識・技能・精神などをしぜんに養い育てること)

艱難 かんなん (苦労、苦しみ)

凌  (しの)ぎうる (がまんする)

想望 そうぼう (ひそかに待ち望むこと)



野球部・部則      広島県立本郷工業高等学校・野球部

  高校生活が中学校の生活と違うように、野球部の活動内容も中学時代とは違います。

 厳しい面もあり、一部では自主性を伸すために、生徒にまかせる面もあります。

  本郷工高・野球部では、好きな野球を通して、人間として成長することを願っています。

  そのためには、本郷工高・野球部の部訓である『規律』・『礼儀』・『節度』の意味をしっかりと理解し、実践してもらいたい。

★【規律】

 われわれは、常に高校生らしく、ファイトあふれるプレーをグランドで行なうと同時に、まじめな高校生活をおくり、人間の修養に努めなければならない。

※ 団体生活の基本は、秩序ある規律である。

★【礼儀】

  われわれは、親・先生・先輩・仲間などから、有形無形の親愛と友情とのより、いろいろな恩恵を受け、現在の自分があることを忘れてはならない。

  したがって、常に感謝の気持を忘れず、先生・先輩・年長者に対しては、礼儀を重んじ、部外者の対応にも謙虚でなければならない。

※ 一人の恥は、野球部全体の恥である。

★【節度】

  われわれは、高校生である。勉学に努力しない者は、高校生ではない。
 勉学において、意欲のない者・教室で不まじめな者は、野球部員としての資格はない。

※   野球部員である前に、高校生であれ。

           努 力 

       努力せずに優勝したい。苦労を積まずに勝ちたい。 

          そのような願いは、野暮(やぼ)である。 

   山に登って、蛤(はまぐり)を取る。 海に入って、マッタケをさがす。 

              それよりも、もっと野暮である。




野球部員心得15か条

 1) 球友愛を育てよう!

 投手を父として、捕手を母として、各自の足りないところを互に助け合ってこそ、本当の野球生活が成り立つ。

 球友がエラーをしたらなぐさめ、はげまし、早く自信をとりもどさせよう。

 試合は一人でやるのではなく、九人でやるのでもない。部員の全員でやるものと心せよ

 一致団結・これこそ勝利獲得の原動力である。


 2) 走ることに専念しよう!


 野球における捕球は、足でするものである。走ることを忘れたものは、野球部員としての資格のないものと思え。

 グランドは、心身鍛練の教室である。グランドは、教室の延長と心得、グランドを愛し、自己鍛練にいそしめ。

 グランドに出たら、一歩も歩くな。いつも走れ

 3) 模範生になろう!

 模範生徒は、優等生タイプを言うのではない。不屈の精神と、若者としての元気のよさと、常に努力をおこたらない者を言う。

 野球をやっているから、成績が悪いのが普通だと考えるな。そう考える前に、今の学校生活・家庭生活をふりかえろう。

 勉学にはげみ、そして大いに野球に打ち込もう。高校野球は教育であり、現代の野球は考える野球である。

 4) 愛される野球部員となろう!

 全校生徒の支援なき野球部は、学校の野球部としての資格のないものと思え。

 掃除当番なども完全に行ない、自分の責任を果たし、全校生徒に愛される野球部となろう。


  5) 精神力の充実をはかろう!

 技術差の少ない現在の野球は、精神力が最後の鍵だ。

 自分の苦しいときは、相手も苦しい。その苦しみの克服が、勝利の分岐点となる。

 内にひめた闘志こそ、勝利への原動力である。


  6) 高き気品をもとう!

 日常生活にも、礼儀正しい選手になろう。服装などで注意を受けるものは、部員として恥と思え。

 試合は、打つ・走る・守るのみでなく、入場から退場までの全てを言う。


 試合に於いては、

 ☆ 相手をみくびった態度をとるな。

 ☆ 審判のジャッジに首をかしげるな。

 ☆ チェンジの際は、全力疾走せよ

 ☆ 三振、または塁上でアウトになった場合でも、元気よく走ってベンチに帰れ。

実るほど、頭を垂れる稲穂かな。

 7) スポーツを生活の一部として、規則正しい生活を送ろう!

 野球と学習の切り替えを上手にして、計画的な生活を送ろう。 
 病気は、精神的緊張をなくしたり、責任感の乏しいことから起こる不摂生が原因だ。
 すなわち、自分の体は自分で健康管理をせよ。
 真のスポーツマンとは、規則正しい日常生活を送る人を言う。


 8) 用具は、自分の体の一部だと思え!

 バット・グローブ・スパイクなどは、君たちの腕であり、手であると心得、常に手入れと修理をおこたるな。
 予算内の部活動であるから、生徒会の苦労を考え、用具を愛護し、部費の節約をはかれ。
 用具の手入れが不十分なのは、野球選手の恥だ。


 9) 自分の欠点に挑戦しよう!

 足の遅いものは、走らなければ速くはならない。点数の悪い教科ほど一生懸命やろう。
 以前に、シャットアウトされたチームに、どこまでもくらいついていく。
 今度は、負けないぞ!という気持がなかったら、トーナメントには勝てない。


 10) 勇気と決断力を持とう!

 バットを振らなければ、ヒットは生れない。
 正しく捕球するには、打球への挑戦が必要である。
 それには、たえず「自分の所に打球が飛んでこい」と言う気持を持とう。


 11) 部室は常に整理し、先輩をしのび、一日の反省をしよう!

 野球部の強さを知るには、用具と部室とチームの礼儀を見ればわかると言われている。
 常に部室の掃除を行ない、整理整頓に心掛けよう。

  ☆ 毎週1回は部室の掃除を行なうこと。
  ☆ 部室内に、部活動以外の物を置かないこと。



 12) 基礎練習に徹しよう!

 地上10数メートルの大木は、地下に10数メートルの根をおろし、強風にも微動だにしない基礎を作る。
 何事も、基礎こそ最も重要だ。基礎のないものは、先へ伸びない。
 野球の基礎は、キャッチボール・バッティング・ランニングの3つである。


 13) 素振りは、十分に練習しよう!

 正しい素振りの出来ないものは、球を打つ資格のない者である。
 素振りによって、指・手首・腕・腰・足の力が養える。
  常に素振りをおこたるな。


 14) 常に感謝の心を持ち、懸命に努力しよう!

 父が、母が、先生が、先輩が、多くの本郷工高の生徒が、そして、本郷工高のフアンの方々が‥‥‥
 諸君の姿を、諸君の成長をじっと見守っている。
 そして、一回でも多く勝たんことを望んでおられる。
 諸君のバックには、これらの人々の暖かい愛情と、声援のあることを忘れるな。
 特に、監督の誠意と、家庭を犠牲にした愛の指導であることを忘れるな。


 15) その他の要望事項!

 @   遅刻・欠席・早退を無断でしないこと。かならず、理由を担任及び野球部顧問に連絡をとること。
 A  暴力は、いかなる理由でも認めない。
      諸君は、正々堂々と行なうスポーツマンであることの自覚と誇りをもて。
 B  用具の整理は、全員で行なうこと。
   (グランドの整備・用具の格納・部室の整理)




練 習 方 法
練習はすべて敏速に動こう!
最短時間で最大の効果をあげよう!
一球一打が、全て試合のつもりで!
試合で泣くより、練習で泣こう!

 
実 施 項 目 留 意 事 項
 ランニング

 1.身体の調整
 2.足並みがそろえば、心もそろう

 準備体操

1.号令に合せて、元気一杯に
2.どこの運動か、よく考えて

 キャッチボール

1.野球の基本である
2.正確に(相手の胸に投げ、胸の所で受けよ)

 素振り

1.目の位置、バットの持ち方、握り方、振ったあとの姿勢
2.ボールをイメージしながら素振りする
3.素振りの完全でない者は、球を打つな 

 トス バッティング

1.確実に、軽く

 フリーバッティング

1.確実に、強く
2.ボールに手を出さない

 レギュラーバッティング

1.一球一球を大切に
2.走塁も加えて

 バント

1.バットの構え方、持ち方
2.球をころがす方向

 シートノック

1.機敏な動作
2.球から目をはなすな(グローブにはいるまで見よう)
3.つらくとも頑張れ(へばった態度を見せるな)
4.カバーやバックアップを忘れるな

 ベースランニング

1.常に全力疾走せよ
2.次の塁を取る心構えと動作をする
3.スタート・スピード・スライデングの三要素が必要


   
  

    初心とは、「私は初めてだから、何もわからない。 

   だから、指導者に従って一生懸命に学ぼう。」といという謙虚な心である。 

   心のコップが慢心で一杯では、もう何事も学ぶことは、不可能です。




野球の格言

古くからコトワザのように言われてきた格言があります。 その格言の意味は?  言おうとしていることは?

  ボールから目をはなすな  

 投手、野手、打者、走者‥‥だれもが「当然だ」と知っていることです。9分9厘、ボールのないところに、プレーは起らない。

 走者がボールからほんの一瞬、目をはなしたばかりに、牽制に刺されたり、あるいは攻撃のチャンスを見逃すことがあります。

 また、まさか‥‥という外野手がポロリとするケースもあります。自分でアウトを決めないように!



   意識過剰はケガのもと

 投手が「三振をとってやろう」という気持や、打者が「ホームランを打ってやろう」という野心は

 @   筋肉が緊張して、自由自在に運動できないか、狂いが生じる。

 A   投手にしても打者にしても、心理が一方的に単純に走り過ぎ、プレーが単調で落とし穴にはまりやすい。



   審判を味方に引き入れよ

 審判の人も、感情を持った人間です。だから、敵にまわすのは損です。

 くつがえりそうもないジャッジについて「不平不満」を顔に出したら、かえって悪い影響がでます。
 
 また、ベンチからヤジるのも感心しません。



  点差とイニングを考えよ

 今の点差と残りイニングから見て、どのような守備や、攻撃をするのが一番正しいか?

 この判断は、個人差がでやすいので、チームとして統一することが必要です。

 すなわち、同じ考え方を持ったチームプレイが要求されます。



   ネクスト・プレイを考えよ

 守備側も攻撃側も、次に起こるネクストプレイを、常に自分に言い聞かせておくことが大切です。

 例えば、試合は6回、3:3の同点、一死1・3塁のケースのとき、

   内野手は何を考える?

 ゴロのとき、ダブル・スチールをやってきたら、スクイズバントは、走者を刺すピック・オフ・プレーの可能性は?

      外野手は?

 ヒットのとき、長打のとき、フライのとき、バックアップは?

      走者は?

  三塁走者……ライナーのとき、ゴロのとき、サインは?

  一塁走者……スチールは、牽制球は、サインは?

   笑われて 笑われて 偉くなるのだよ
      しかられて しかられて 賢くなるのだよ
         たたかれて たたかれて 強くなるのだよ
           世の中の 偉いと言われた人が
                みんな  一度は通った 道なんだよ



 宮本武蔵「五輪書」より

 宮本武蔵は、一生の間に60数回の勝負に勝ち残って、その晩年に「五輪書」を書き残しています。
 武蔵が説いている兵法の道(真剣勝負)と野球の道は、にかよったところがあります。
 
 「
千日の稽古を鍛といい、万日の稽古を錬という

 「最初はできなくても、必ずできるようになる。やる前からできないなどというなかれ

 勝負にのぞんでも「常の心と変わるなかれ」(平常心)

 武蔵は真剣勝負に際して、常に「相手の技量は自分と互角」とふんでいた。(どんな敵にも、いつも同じ気持で)

 武蔵はいつも「敵を斬るという心だけ」があったといっている。

 王選手も、長期スランプに陥ったあと、たどりついた心境は「タマがきたら打つだけ」というそうです。


 「両の肩を下げよ」(投手も打者も、肩をいからせたり、肩に力を入れるのは、もっともタブーといわれています。

 自分の思うとおりに、筋肉運動ができなくなるという理屈を、武蔵はその体験から知っていたものと思う。
 (笑えば、肩は自然に下がります。)


 「小指と薬指で、絞め加減に太刀を持て

 「体(からだ、足腰)を先に打てば、太刀は後から自然についてくる

 「山海の心」(同じ手口で三度も攻めるな。せいぜい二度までに止めよ)

 武蔵は「生死二つの利をわけた勝負」に男をかけましたが、スポーツである野球は、そこまでいかなくても、せめて普段から試合の心境で、一つ一つのプレーを積み重ねてもらいたい。

 そうすれば、少なくとも練習で可能であったプレーは、試合でもそのまま実現が可能なはずである。

 野球は、練習も試合も同じ大きさのボールとバット、そして同じ距離と幅をもったグラウンドでプレーするわけです。

 だから、練習でやれたことが、試合でやれないことはありません。


 そういう信念をまず持つことが大切です。



高等学校野球連盟の歩み

(1) 高等学校野球連盟と高等学校体育連盟

 大正4年(1915年)に、第1回全国中等学校優勝野球大会が朝日新聞の主催で開催される。
 その後大会は盛大になり、野球フアンも多くなった。


 大正13年(1924年)に春の選抜大会が毎日新聞の主催のもとに、名古屋の名事(なごと)球場で開催され、中等野球は、盛況から熱狂へと過熱化現象をもたらせた。

 昭和7年(1932年)は中等野球の全盛時代と言われているが、現在のような連盟もなく、選手争奪が行われたり、野球ブローカーが現れたりした。

 このような背景にあって、野球を何とか健全に発展させたいという願望から、この年に野球統制令が発令された。


 終戦の翌年の昭和21年12月(1946年)、行政の手をわずらわさないで、野球人自らの手で「学生野球基準要項」を制定、さらに昭和25年(1950年)には「日本学生野球憲章」と改めた。

 高体連とは別に高野連が設立されている理由はここにある。



(2) 学生野球協会

 野球が国民的スポーツとして広がり盛んになっている中で、教育の一環としての学生野球を自らの責任で造りあげようとして「大学野球連盟とタイアップし、学生野球協会の傘下に入り、学生野球の健全化を目ざした。

 
学生野球協会が存在する意義はここにある。

今日、不祥事件の裁定は、この学生野球協会審査室によってなされている。

 個人の非行でもチーム全体が裁定の対象となっているもは、この学生野球協会加盟の最小単位がチームであるからである。

 この意味は別の面から言えば、本郷工業の野球部が、一人でも野球に関わる不祥事件を出さないようなチームであることを期待されているのである。




心得のすべて

 試合必勝の秘訣は、平素のグランドにおける生命を打ち込んだ練習にある。

 試合は試合の日に勝つのではない。平素の練習に打ち勝つのである。

 試合ではグランドに立った時、すでに敵をのむだけの気力と自信がなければいけない。

 ここに試合に対する心得のすべてをまとめておく。

  試合の前日、当日の朝。いや、平素の練習でも常に心掛けてもらいたい。


   守備の心得

1.確実にアウトの数を増やせ。

2.いつでも次のプレーを考えておけ。

3.無理と思われたら投球するな。投球の失敗は二個の塁を与える。

4.凡ゴロ、凡フライは特に警戒せよ。近くにいる者は、球が味方のグラブにおさまるまで油断するな。

5.球は出来るだけ速かに捕り、速かに投げよ。そしてすべて確実第一、手加減はかえって失敗する。

6.一つのプレーに失敗しても、すぐ別の方法によって敵をアウトにすることにつとめよ。適当な擬投を忘れるな。

7.味方の失策を責めるな、なぐさめてやれ。自分の失策を気にするな。再度、失策をするな。

8.球を捕ろうとする時に走者を見るな。ハンブルしても走者を気にするな。

9.投手の球質、その他で位置を変える時もあまり早く変えるな。敵にさとられては効果がない。

10.自分にいつもバックアップの任務があることを忘れるな。バックアップを怠るチームは必ず守りの不備を暴露する。

11.外野手は球をながく待つな。速かに返せ。外野手にタッチプレーはない。

12.二人以上が球に向った時は、必ず声をかけよ。そして声の早い者が捕れ。

13.走者が飛球で次の塁に向かう時は、よくその足に注意せよ。
  早かったら「早い」と声をかけて走者の走力を鈍らせ、同時に審判の注意をひけ。

14.挟撃(ランダゥンプレー)は送球数を少なく早くアウトを取れ。長引けば失敗のもと。

15.2点以上勝ち越しの時は、無理して走者を殺そうとするな。失敗すればピンチを招く。
  確実にアウトを取っておけ。安打されなければ得点は与えない。

16.弱敵を侮るな。勝ち越し試合に気を許すな。ゲームセットの宣告まで勝敗は決しないと思え。

17.元気のない守備には失策が多い。常に球を呼べ。

18.劣勢に気を落とすな。選手の意気さえ衰えなければ点数は負けても試合と試合精神は生きる。

19.負けて泣くな、練習に泣け。練習に泣かない者が敗戦に泣く。
  練習に涙を流した者は敗戦を天命とあきらめられる心境がある。

20.しかし、敗戦を忘れるな。敗戦を記憶する者に回復がある。

練習は不可能を可能にする!




    投手の心得

  ※好投手のあるところに 勝利あり!

1.足の鍛練を休むな。

2.常に自信を持ち味方に信頼されよ。

3.強打者を恐れず、弱打者をあなどるな。

4.毎回の第一打者には全力をつくして、これをアウトにせよ。

5.常に内外野手の守備を見てから投球せよ。

6.目標をつけない投球はするな。

7.コントロールの練習の時は余り色々な球を投げるな。

8.スピードを忘れるな。

9.カーブを忘れるな。

10.ルールを知らない投手は試合に出場するな。

11.審判のジャッジ(ストライク・ボール)を論議するな。

12.投球後の守備を忘れてはいけない。

13.各塁への牽制球は走者のリードをさせないために投げよ。

14.相手の作戦を見逃すな。

15.試合中、怒ったりがっかりするな。

16.打者の得意な所に投げるな。

17.四球を出すな。

18.味方野手の失敗に怒ったり失望するな。

19.試合が終わるまで気をゆるめるな。

20.相手チームの言葉に耳をかたむけるな。



  捕手の心得

1.体の横や片手で捕 球するな。

2.投手に悪い球を返すな。

3.体に力を入れたり、かたくなるような姿勢をとるな。

4.バッターからはなれてかまえるな。

5.フライは落とすな。

6.投手にわかりやすいサインを出せ。

7.だまっていたり、声の出せない者は捕手ではない。

8.投手の投球が乱れたら色々と助ける方法を考えよ。

9.走者が本塁にとびこんで来る時、野手からの球が本塁上にくるか、横にそれるかをみきわめて、落着いて構えろ。

10.走者を長追いするな。

11.バントの守備(サイン・プレー)を忘れるな。

12.打者の欠点を早く見抜け。

13.二死後の打者に気をつけよ。

14.常に声を出しナインの盛り上がりを指導せよ。



一塁手の心得

1.爪先で塁をふむな。

2.手だけの捕球をするな。

3.いかなる場合でも球を後にのがすな。

4.無意味な片手取りをするな。

5.投手や二塁手が投げてくる時、低い姿勢で構えるな。

6.ぼんやりかまえるな。

7.捕球したら次に送球することを忘れるな。

8.常に声を出して、チームの盛り上がりを忘れるな。

 技術・記録の向上は疲労の極限に達した時にある。
へばっている時こそ、自己の技術が急速に伸びる時である。




内野手の心得

1.投げることにより、先ず捕球すること。

2.特別の場合を除いてオーバースローがよい。

3.ゴロを待つな。

4.ダブルプレーをねらう時、後の走者に重点をおくな。

5.フライはだまって捕るな。

6.一塁越へのフライを一塁手が深追いするな。

7.三塁越へのフライを三塁手が深追いするな。

8.風を見落すな。

9.ベースに気をとられて球道をみそこなうな。

10.二塁手とショートは、捕手のサインを見落すな。

11.バックアップを忘れず、自己のベースをあけるな。

12.捕球したら次に送球することを迅速確実に。

13.常に声を出して、ナインの盛り上がりを忘れるな。




外野手の心得

1.捕球の前に声をかけよ。小さい声はかけるな。

2. 球から目をはなすな。

3. 片手捕りをするな。必ず両手で捕球せよ。

4. アウトカウントと走者の有無を忘れるな。

5. ボールカウントを数えろ。

6. 風の方向を無視するな。

7. 中継体勢を忘れるな。

8. ランナー三塁で、無死または一死の場合、外野に飛んだ大きなファールフライは捕るな。

9. バックアップを忘れるな。

10. 常に声を出して、ナインの盛り上がりに努めよう。





攻撃の心得

1. アウト数を忘れるな。サインを見落すな。

2.野心は禁物、長打の前に確実な安打を心掛けよ。   大飛球よりもゴロを打つことに気を使え。

3.走者のない場合は出塁を考えよ。走者のいる場合は、まず次の塁へ進めることに努めよ。

4.調子の悪い日も悲観するな。軽打して生きる場合が多い。  好調な日は注意せよ。強振しすぎて失敗する。

5.フライの多い日は敗れる。ゴロの多い日はチャンスが来る。  フライは敵に有利、ゴロは味方に有利。

6.2ストライク後はあわてずバットを短く確実に合せて打て。

7.打者は走者の盗塁援助を忘れるな。

8.一試合一安打に努めよ。一試合一安打できる者は強打者なり。

9.投手が投げにくいようにしむけよ。

10.自信を持って投手にむかえ。

      今は辛い方がいい 若いんだから 

              今は苦しい方がいい 若いんだから

       負けずに耐えて がんばって 

             あとでゆっくり 笑えばいい  

      空は嵐の後が 一番美しいじゃないか  

             だから今は 辛い方がいい  

                苦しい方がいい 若いんだから 
 





走塁の心得

1.無死の走者は自重せよ。セーフが疑問の時は無理をするな。

2.走塁は足、盗塁は頭でせよ。スタートが成否のもとになる。

3.一塁までは全速力で走れ。どんな場合にも走ったために不利になることはない。

4.二塁走者は安打で生還できる場合が多い。スタートに注意せよ。二死の場合は多少冒険してもよい。

5.常に油断するな。トリックにかかるのは、頭脳的敗者だと思え。球がどこにあるか注意して、不明の時は離塁するな。

6.コーチは声よりも動作で走者に指令せよ。走者は敵の声にあざむかれるな。

7.サインを忘れるな、誤るな。打者はボックス内で、走者は塁上でサインを見ろ。

8.次の行動を考えておけ。

   摂生を怠らず、良く睡眠する者は、

                よき打者となり、よき走者となれる。  






ベースコーチの心得

Carch‥‥言語では、指導する立場にある人 となっている。

ベースコーチには、何が必要か?

 1.高校生として、野球選手として立派なマナーを持ち、冷静にしてかつ、客観的な状況判断にすぐれており、決断力と信頼性のある人物
   (プロ野球では、チームを代表する人がなっている)

      客観的な状況判断とは!

       (A) グランド環境(広さ・グランド状態・周りの様子)

       (B) 自然現象(風・太陽・雨・温度)

       (C) 基本(アウト数・ボール数・得点差・回数・相手の長所と短所)

       (D) 自チームの監督・相手チームの監督が、今どのような心境であり、何をやろうとしているのか。


 2.コーチで試合が決まるという自覚を持っている人



ベースコーチの役目

  1.ボールインプレー中は絶対ボールから目を離すな。

  2.  五つの基本(アウト数・ボール数・得点差・回数・相手の長所と短所)を頭に入れ、走者にたえず教える。

  3.自チームの選手(走者・打者)の技術をよく知っておくこと。

  4.相手チームをしっかり観察しろ。

    ・相手チームの監督

      回数・得点差によって、内外野にどのような指示を送るか

    ・投手の心理とクセ

       ボールの握り、牽制と投球の違い、投球のパターン

       牽制の回数、ランナーを見る回数、投手の心理

       コーチャーの声に非常に影響されやすい投手がいる。

    ・捕手の心理とクセ

       投球モーションを起こす前に、体全体を左右前後に動かす。

       投球パターンが決まっている。(ランナーが出ると、ストレートが多いなど)

       ミット・体を動かすことによって、投手・内外野にサインを出す。

       下手な捕手は、コーチャーからサインが見える。

    ・内野手のシフト及び肩の強弱

       内外野の位置 …… 内外野のシフトの意図を読み取る。

       内外野の肩の強弱 …… コーチャーは、常に頭に入れておく

 5.相手チームから得た情報は、自チームに知らせよ。

     打者・走者にシグナルで伝える。

     サイン・球種などがわかったら、監督に伝える。

 6.一度判断を下したら絶対途中で変更するな。そして、走者にはっきり判るように大きなジェスチャーで指示を送れ。

 一人一人により野球部が構成され、
野球部により一人一人が育成されることを忘れるな。



バッティングのワンポイント

 苦手が少なくなるとアベレージは高くなる。

  コース別功略法

高めの球

球威がなければ長打のチャンスだ。ピッチャーが意識して投げる、いわゆる"つり球"は、コースをよく見て、ボールは振らないこと。

ポイントは、

@ ヘッドをグリップより高い位置にしてスイングする。いわゆる "大根切り"打法で打つ。

A 脇をしっかりしめる。

B ミートポイントは早めに、ピッチャー寄りにする。

C 球威に負けないよう、左足(右打者は右足)の蹴りを素早く。

低めの球

低めに弱い人は多い。ピッチャーは、それをねらってストライクを取りにくる。
低めに強いバッターは、ピッチャーにとって嫌いなバッター、つまりシュアーなバッターということになる。

ポイントは、

@ 左手が球に向って降りてくる感じでスイングする。(右打者)

A 右ひじは体につけておく。

B ミートポイントを体に近い所に置いて、よび込んで打つ。

C ヘッドアップしないこと。


内角球

インローは最も打ちにくいコースとなるが、そうでない場合は内角を得意にしているバッターは多い。

ポイントは、

@ 腰の回転をシャープにするため、ミートポイントをステップした足よりも前に置く。

A バットのヘッドは、ヘソ、腕、顔の同一線上に置く。

B 引っ張ったときは、フォロースルーで右足がレフト方向(右打者)に向くようにする。

C ライト方向へ流し打ちする場合、右ヒジをしめて、体の前に球を通らせるつもりで、ステップを遅らせて打つ。


外角球

体から遠いため打ちにくい。ピッチャーもそこをついて、アウトローなどミートしにくいコースを狙ってくる。
振り回す打法を避け、内外野の中間ぐらいに打ち返すつもりで、リラックスして打つ。

ポイントは、

@ ミートは、ベースの真上ぐらいまで十分待つ。

A 右腕(右打者)をバットごと球にぶっつけるような感じでスイングする。

B 届かそうとして体が泳がないように注意する。

C ライト打ちは、左右の足をやや内股に構え、ポイントをぎりぎり遅らせる。



  変化球功略法


  カーブ

右打者対右投手の場合、はじめは自分に向ってくるように見えるためについ体を引き、その後遠ざかって見えるために前のめりになってしまう。
それを防ぐためには、

@ ストレートよりは球速がないのだから、あわてずワンポイント間を置いて、"待って"から打つ。

A 振りはじめは、右ヒジより後ろに手首があるようにスイングする。

B 曲る方向に打ち返す。

C アウトステップはしない。


  シュート

本格的なシュートは、右打者対右投手の場合、非常に打ちにくい。カーブとは逆に、外角から内角へ切り込んでくるように見えるから、瞬間の体の引き方が難しい。

ポイントは、


@ 両ヒジをよくしめ込んで打つと、体全体で受け止めている感じになり、力負けしない。

A ミートのポイントは、左足の前に置く。

B ステップ、腰、ヒザともに絶対開けないこと。

C 振り回す打法は避け、体重を右足にかけすぎないように打つ



  タイプ別攻略法


  オーバースロー

  球威で押してくる力投派が多い。コントロールが甘くなった時がねらい目である。

@ カーブはドロップ気味に曲がるので、タテとヨコの変化に注意する。

A 力対力でぶつかるだけでなく、たまにはバントでフェイントをかけて揺さぶることも大切である。

B 長身の投手のストレートは、落差の大きさも計算に入れる。


  アンダースロー

 腰を酷使する変則投法だから、よほどの体力がない限り、後半には球威が弱るはずだ。そこがねらい目である。

@ ベルトよりも下の球には、なるべく手を出さない。

A 変化球を武器にしていることが多いので、常に十分タメて打つ

B 力なく浮いてくる球を狙う。


  サイドスロー

[右投げ]

飛び抜けた球速はないが、ピッチャーズプレートとホームベースの幅をフルに活用するタイプが多い。

@ 横の変化球に注意する。

A 直球がナチュラルにシュートするので気をつける。

B ねらい球を決める。

[左投げ]

正確なコントロールを武器にして、変幻自在に投げ分けるタイプが多い。

@ 右打者の場合、球の出所が見やすいので打ちやすいように思えるが、変化球を多用するので要注意である。

A 左打者の場合、外角に大きく逃げるカーブと内角をつくシュートにほんろうされないよう特に注意すること。

    集中する力

  あるマラソン選手が、次のようなことを言っている。

 マラソンのレース中、マラソンコースに沿って、幾万もの観衆が沿道を埋めて声援を送っていたが、そのいっさいが 「目にも入らなければ、耳にも聞こえなかった。」と言うのである。

  これは42.195Kmを、自分の全力をあげるために、自分の神経が走るべき距離とスピードと、自分の体の状況を探るために精一杯でほかのことに神経が振り向く余裕が全くなかったということにほかならない。

  相手打者が打ったボール1個を追う時に、「スタートが遅れた」とか、「捕れるかな」とか、「走者はどこに」とか、ボールに飛びつく以外のことに神経がそがれると、集中する力が弱くなり、失敗をまねいてしまう。

 全神経を集中する力をつけることが、練習の大目的でなければならない。

「集中力がない」「気合いで負けた」「元気がない」などということは、全神経の集中の弱さを指摘されているものと考えてよい。

  野球をやるときには、ただひたすら野球に集中して励むことである。


広島県高等学校野球連盟

試合細則及び注意事項

  【試合細則】

1.メンバー表は大会本部に5部提出する。

2.場内におけるトスバッティングは行なえない。  ただし、決勝戦は時間を与える。

3.試合前のフィルディングは、指示があってから7分間とする。    ただし、大会運営上短縮または中止することがある。

4.試合中、タイムの要求ならびに審判委員のルール適用に対する疑義の申し出は、主将または当該選手に限る。
  審判委員の判定に対しては絶対服従のこと。なお、選手交代は球審まで申し出ること。

5. 試合使用球は審判委員が使用不適当と思うもの以外は替えない。

6.一時走者を代えないと試合が続行できないと審判委員が認めた時は、相手チームの主将に事情を説明し、臨時の走者を出してもよい。
(臨時代走)

7.予定の時刻よりも試合が早く終了した場合は、引き続いて次の試合を行なう。

8.ユニホーム・スパイクに商標が明示されているものは、取り除くか黒く塗りつぶすこと。


  【注意事項】

1.試合中の攻守交代は敏速にすること。

2.ランナーコーチとなる選手は、攻守交代時のベンチのミーティングに参加せず、ただちに所定の位置につくこと。

3.サインはバッターボックスの中で見る。

4.投手が審判委員からボールを受け取る時や、打者がバッターボックスに入る時に礼をする必要はない。

5.試合中、本塁近くに放置されたマスクおよびバットは、審判委員が取り除くものではなく、攻撃側の次打者またはその他の者が早く取り除くこと。

6.次打者は自己のダッグアウト側のウェイティングサークルで待つこと。
  投手が投球動作に移ったあとは、必ずウェイティング(腰を低くし片膝をつける)の姿勢で待つこと。

7.選手は、審判委員の判定に対して、不満のような態度をとらないこと。
  また、相手の選手や審判ジャッジに対して、野卑の言葉を使用しこれをヤジルような行動は厳禁する。

8.打者および走者は両耳つきヘルメット・捕手は捕手用のヘルメットを必ず着用のこと。
  シートノック時の記録員は、ヘルメットを着用のこと。

9.捕手は投手の投球を座って受ける場合は、必ずマスク、ヘルメットなどの捕手用具を着用のこと。

10.トレーニングバットは可。 ただし、バットリングおよび鉄棒の持ち込み、使用は厳禁する。

11. ベンチ内のメガホンは、部長・監督の指示用として、2個まで使用することを認める。

12.金属製バットは公認バットに限る。金属製バット・ヘルメットは審判委員の点検を受ける。
  可否は審判委員点検にもとづく判断による。

13.サブノッカーはオーダーシートの下方枠外に記入し、外野のノックを担当することを原則とする。
  服装は監督に準ずる。ただし、部長が行う場合は運動靴を着用すること。

14. 外野手とベンチの控え選手とのキャッチボールは禁止する。

15. 内野手が投手にボールを返す時は、守備位置から行なうこと。

16. 捕手が投手を激励に行く時は、投手もホームベースよりに歩み寄ること。

17. 監督は選手をベンチに呼ばないこと。その必要がある場合は、控え選手を伝令として用い、その意思を伝えること。
  球審にタイムを要求し、認められた後、行動に移ること。

18. 責任教師(部長)はネクタイを着用すること。監督は選手と同じ服装であること。
  従って、スパイクを着用し、サングラスは用いてはならない。
  選手が太陽光線を避けるためサングラスを用いるときは、審判委員の許可を得ること。

19.記録員の服装は体育用ジャージとする。(男女を問わず)

20.試合開始・終了時の挨拶は、さわやかな礼を行なう。極端に頭を低くし長くしない。終了時は、握手はしない。

21.責任教師は、試合予定時刻の1時間前にチームの到着を本部に報告する。
  ただし、第一試合の場合は40分前とする。責任教師は主将を引率してメンバー交換に立ち合うこと。
  選手のテーピング(肌色)、守備時の手袋使用は、審判委員の許可を得ること。

   この試合細則および注意事項は、2001年度のものです。
   時代と共に変更されますので、注意してください。


野球規則

 (1) 野球規則に対する取り組み方

  野球規則は同じ条件でプレイをするための取り決めである。

 すべてのスポーツルールは、できるだけ公平な状況のもとで勝負を競い合うようにするために必要な取り決めとして存在します。
交通ルールにしろ、野球ルールにしろ、いったん定められたことはよく理解し、相手の人々に迷惑をかけることのないようそれらを守るという心構えが必要です。

 なぜこの規則が作られたのか、という目的を十分理解し、それを守る姿勢で望めば、難しい野球ルールが隅から隅まで分っていなくても、瞬間、瞬間のプレイにほぼ間違いなく対処出来ます。


 (2) 規則の目的を理解する。

 数あるスポーツのなかで特に野球は、その瞬間、瞬間の変化が多く規則も複雑です。
しかし、インフィールドフライの規則が、何故あるのか。常識ある判断で分ります。
つまり、この規則は、攻撃側の不利益を保護するために、つくられたものです。

 このように、投手は投手としての、打者は打者としてのルールについて、なぜその規則が作られているのかを、いま一度考えてみましょう。
きっと、今までになかった疑問が生まれるでしょうし、またルールがよく分かるようになるでしょう。


 (3) ルールブックの何を読むべきか。

 ルールを勉強するときに、難しいケースや珍しいケースがわかると、非常にルールに精通したような気分になるものです。
しかし、本当はストライクゾーンの定義であるとか、アピールプレイであるとか、得点の規則など、試合で常に起こる頻度の高いプレイについて、しっかり勉強することの方がもっと大切なことなのです。


 (4) 高校野球の目的とルール

 ルールブックは、プロ野球から少年野球まで1冊で適用されるようになっています。しかも、アメリカのルールの直訳ですから、いわば世界共通だということになります。
しかし、野球というスポーツを行なう目的は、それぞれの団体によって異なります。
単に自分たちがプレイをして楽しむだけのもの、また高度なプレイをお客さんに見せて楽しんでもらうもの、あるいは、それを人間育成のひとつの場として考えているもの、などさまざまです。

本校野球部の目的は何であるか、みんなで考えてみましょう!



用語の定義

1.アピール(APPEAL) 2.02

 守備側チームが、攻撃側チームの規則に反した行為を指摘して、審判委員に対してアウトを主張し、その承認を求める行為である。
 (アピールは、インプレイ中に行なわれなければならない。)


2.ボーク(BALK) 2.03

 走者が塁にあるときの、投手の投球上の反則行為である。その場合には、全走者に各1個の進塁を許す。(8.05)


3.ボール(BALL) 2.04

 ストライクゾーンを通過しなかった投球、または地面に触れた投球で、いずれも打者が打たなかったものである。


4.捕球(CATCH) 2.15

 野手が、インフライトの打球、投球または送球を、手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクター、あるいはユニホームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合は、捕球とはならない。


5.フェアボール(FAIR BALL) 2.25

 打者が正規に打ったボールで、次に該当するものをいう。

 (A) 本塁1塁間、または本塁3塁間のフェア地域内に止ったもの。

 (B) 1塁または3塁を、バウンドしながら外野の方へ越えて行く場合に、フェア地域に触れながら通過するか、またはその上方空間を通過するもの。

 (C) 1塁、2塁または3塁に触れたもの。

 (D) 最初に落ちた地点が1塁2塁及び2塁3塁を結ぶ線上であったか、あるいはその線を越えた外野の方のフェア地域内であったもの。

 (E) フェア地域内またはその上方空間で、審判委員またはプレヤーの身体に触れたもの。

 (F) インフライトの状態でプレイングフィールドを越えて行く場合に、フェア地域の上方空間を通過したもの。


6.野手選択(FIELDER'S CHOICE) 2.28

 フェアゴロを扱った野手が1塁で打者走者をアウトにする代わりに、先行走者をアウトにしようと他の塁へ送球する行為をいう。

 これにより、打者走者または走者が進塁した場合、記録上の用語として野手選択による進塁という。


7.フォースプレイ(FORCE PLAY) 2.30

 打者が走者となったために、塁上の走者が、規則によって、その塁の占有権を失ったことが原因となって生じるプレイである。


8.ファウルチップ(FOUL TIP) 2.34

 打者の打ったボールが、鋭くバットから直接捕手の手に飛んで、正規に捕球されたもので、捕球されなかったものはファウルチップとならない。

 ファウルチップはストライクであり、ボールインプレイである。
前記の打球が、最初に捕手の手またはミットに触れておれば、はねかえったものでも、捕手が地面に触れる前に捕らえれば、ファウルチップとなる。


9.インフィールドフライ(INFIELD FLY) 2.40

 無死または一死で、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(直球、及びバンドを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう。
この場合、投手、捕手及び外野手が、内野で前記の飛球に対して守備したときは、内野手と同様に扱う。


10.妨害(INTERFERENCE) 2.44

 攻撃側プレヤーがプレイしようとしている野手を妨げたり、さえぎったり、はばんだり、混乱させる行為である。


11.走塁妨害(OBSTRUCTION) 2.51

 野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、走者の走塁を妨げる行為である。(7.06)


12.リタッチ(RETOUCH) 2.65

 走者が、規則によって、帰塁しなければならない塁へ帰る行為をいう。


13.ランダウン(RUN-DOWN) 2.67

 塁間で走者をアウトにしようとする守備側の行為をいう。


14.ストライク(STRIKE) 2.72

 次のような、投手の正規な投球で、審判委員によって"ストライク"と宣告されたものをいう。

 (A) 打者が打った(バントの場合も含む)が、投球がバットに当たらなかった。

 (B) 打者が打たなかった投球のうち、ボールの一部分がストライクゾーンのどの部分でもインフライトの状態で通過したもの。

 (C) ノーストライクまたは一(ワン)ストライクのとき、打者がファウルしたもの。

 (D) バントして、ファウルボールとなったもの。

 (E) 打者が打った(バントの場合も含む)が、投球がバットには触れないで打者の身体または着衣に触れたもの。

 (F) バウンドしない投球がストライクゾーンで打者に触れたもの。

 (G) ファウルチップになったもの。


15.ストライクゾーン(STRIKE ZONE) 2.73

 打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の上部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。
このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。


16.タッグ(TAG) 2.75 (触球)

 野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、またはグラブに確実にボールを保持して、グラブを走者に触れる行為をいう。


17.タイム(TIME) 2.78

 正規にプレイを停止させるための審判委員の宣告であり、その宣告によってボールデッドとなる。


18.暴投(WILD PITCH) 2.81

 捕手が普通の守備行為で処理することができないほど高すぎるか、低すぎるか、横にそれるかした、投手の正規な投球をいう。


基本的なルール

 第3アウトと得点(4.09)

 三人アウトになってそのイニングが終了する前に走者が正規の一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、そのつど1点が記録される。

 【付記】 第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者が本塁に進んでも得点は記録されない。

(1) 打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。

(2) 塁上の走者がフォースアウトされたとき。

(3) 前位の走者が塁に触れそこねてアウトにされたとき。
  (この場合、後位の走者の得点は記録されない)


 審判委員の裁定に対する異議申し立て(アピール)(9.02)

(A) 打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定にかぎらず、審判委員の判定に基づく裁定は最終のものであるから異議を唱えることは許されない。

(B) 審判委員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、正しい裁定に訂正するよう、その裁定を下した審判委員に対してだけアピールすることが許される。


 正しい投手板の踏み方(8.01)

(A)  ワインドアップポジション

 投手の軸足は(投手板の側方にはみ出さないように)全部投手板の上に置くか、投手板の前縁に触れて置き、他の足(自由な足)は、投手板の上に置くか、投手板の後縁および延長線より後方に置く。

(B)  セットポジション

 投手の軸足は(投手板の側方にはみ出さないように)全部投手板の上に置くか、投手板の前縁にピッタリと離れないようにつけて置き、他の足を投手板の前縁および延長線より前方に置く。


 捕手からのサインを見る投手の姿勢(8.01)

 投手は、投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない。


 投手板につけている軸足のはずし方(8.01)

 ワインドアップポジションとセットポジションとの区別なく、軸足を投手板に触れてボールを両手で保持した投手が投手板から軸足をはずすにあたっては、必ずボールを両手で保持したままはずさなければならない。
 また、軸足を投手板からはずした後には、必ず両手を離して身体の両側におろし、あらためて軸足を投手板に触れなければならない。


 ボーク(8.05) 抜粋

 塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。

 (A) 投手板に触れている投手が、投球に関連する動作を起こしながら、投球を中止した場合。

 (B) 投手板に触れている投手が、一塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合。

 (C) 投手板に触れている投手が、塁に送球する前に、足を直接その塁の方向に踏み出さなかった場合。

 (D) 投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合。

 (E) 投手が反則投球をした場合。

 (G) 投手が投手板に触れないで、投球に関連する動作をした場合。

 (H) 投手が不必要に試合を遅延させた場合。

 ( I) 投手がボールを持たないで、投手板に立つか、またぐか、あるいは、投手板を離れていて投球するまねをした場合。

 (J) 投手板に触れている投手が、好意であろうと偶然であろうと、ボールを落とした場合。

 (K) 投手がセットポジションから投球するにさいして、完全に静止しないで投球した場合。


 第3ストライクによるアウト(6.05)

 (A) 第3ストライクと宣告された投球を、捕手が正規に捕球した場合。

 (B) 無死または一死で一塁に走者があるとき、第3ストライクが宣告された場合

 (C) 2ストライク後の投球をバントしてファウルボールになった場合。

 (D) 2ストライク後、打者の打った(バントの場合も含む)が、投球がバットに触れずに打者の身体に触れた場合。


 インフィールドフライ(2.41,6.05)  インフィールドフライの定義は、ここを見なさい。

 インフィールドフライが宣告されても、ボールインプレイであるから、走者は離塁しても進塁してもよいが、その飛球が捕らえられればリタッチの義務が生じ、これを果たさなかった場合には普通のフライの場合と同様アウトにされるおそれがある。

 たとえ、審判委員の宣告があっても、打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。

 インフィールドフライが宣告された場合は打者がアウトになる。


 打者走者の1塁への走路(6.05)

  1塁に対する守備が行なわれているとき、本塁、1塁間の後半を走るにさいして、打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、1塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判委員が認めた場合、打者アウトとなる。

 ただし、打球を処理する野手を避けるためであればさしつかえない。


 反則打球(2.39)

 打者が、片足または両足を完全にバッターボックスの外に置いて、打った打球をいう。
この場合、打者は反則行為でアウトになる。


 捕手の打撃妨害(6.08)

 打者は、次の場合走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。

 ☆ 捕手またはその他の野手が、打者を妨害した場合。

  しかし、妨害にもかかわらずプレイが続けられたときは、攻撃側チームはそのプレイが終わってからただちに妨害に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。

 ただし、妨害にもかかわらず、打者が安打、失策、四死球その他で一塁に達し、しかも他の全走者が少なくとも1個の塁を進んだときは、妨害に関係なくプレイは続けられる。


 塁の先有権(7.01,7.03)

 (7.01) 走者がアウトになる前に他の走者の触れていない塁に触れれば、その塁を占有する権利を獲得する。
その走者は、(1)アウトになるか、(2)その塁に対して正規の占有権を持った他の走者のためにその塁を明け渡す義務が生じるまで、その権利が与えられる。


 (7.03) 2走者が同時に1っの塁を占有することは許されない。

  ボールインプレイのさい、2走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位の走者にあたえられているから、後位の走者はその塁に触れていてもタッチさららばアウトになる。


 飛球を捕るために野手がベンチまたはスタンドに倒れ込んだ場合(7.04)

 つぎの場合、打者を除く各走者は、アウトにされるおそれなく1個の塁が与えられる。

 ☆   野手が飛球を捕らえた後、ベンチまたはスタンド内に倒れ込んだ場合。


 エンタイトル2ベース(送球が試合停止となる箇所に入る)(7.05)

次の場合、打者を含む各走者は2個の塁が与えられる。

 (1) 送球が、スタンドまたはベンチに入った場合

 (2) 送球がグランドのフェンスを越えるか、くぐるか、抜けた場合

 (3) 送球が、金網にはさまって止まった場合

    このさいはボールデッドとなる。

2個の進塁が許される基準は、

 (A) 打球を処理した直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者の位置

 (B) その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置とする。


 走塁妨害(7.06)

 (A) 妨害された走者に直接プレイが行なわれていた場合(7.06a)

 走塁を妨げられた走者に対してプレイが行なわれている場合、または打者走者が一塁に触れる前にその走塁を妨げられた場合には、ボールデッドとし、塁上の各走者はその妨害がなければ達しただろうと審判委員が推定する塁まで、アウトのおそれなく進塁することが許される。

 走塁を妨げられた走者は、妨害発生当時すでに占有していた塁よりも少なくとも1個先の進塁が許される。

 走塁を妨げられた走者が進塁を許されたために、塁を明け渡さなければならなくなった前位の走者は、アウトにされるおそれなく次の塁へ進むことが許される。

[原注1]
 捕手はボールを持たないで、得点しょうとしている走者の進塁をふさぐ権利はない。
塁線(ベースライン)は走者の走路であるから、捕手は、ボールを"処理する行為"をしているか、すでにボールを持っている時だけしか、塁線上に位置することができない。

 この規定に違反したとみなされる捕手に対して、審判委員は必ずオブストラクションを宣告しなければならない。

 (B) 妨害された走者に直接プレイが行なわれていなかった場合(7.06b)

 走塁を妨げられた走者にたいしてプレイが行なわれていなかった場合には、すべてのプレイが終了するまで試合は続けられる。
審判委員はプレイが終了したのを見届けた後に、はじめて"タイム"を宣告し必要とあれば、その判断で走塁妨害によってうけた走者の不利益をとり除く処理をとる。


 スクイズプレイ等でボールを持たない捕手が本塁上に出た場合(7.07)

  三塁走者が、スクイズプレイまたは盗塁によって得点しようと試みた場合、捕手またはその他の野手がボールを持たないで、本塁上またはその前方に出るか、あるいは、打者または打者のバットに触れたときには、投手にボークを課して、打者には打撃妨害によって一塁が与えられる。
この際はボールデッドとなる。


 野手の触れていないフェアボールに走者が触れる(7.09)  

 (A)  野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた場合、走者アウト

   ただし、走者がフェアボールに触れても、

 (1) いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合。

 (2) 一内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合には、アウトにはならない。

今を生かそう!

過去はどうすることも出来ない。

今を生かそう。

今を最善に生かそう。

悔いなき過去となるように‥‥


グローブの手入れ

どんなにすぐれたグローブでも、それを使う全ての人に100%  完璧に合う、ということはありません。
一人一人のプレーが違うように、グローブの使い方も十人十色です。
部分部分の硬さや柔らかさ、微妙な曲げグセなど、使う人が個性に合せてアレンジしてこそグローブは生き、また愛着も湧いてくるのです。

 せっかくのグローブも手入れが悪いと、宝の持ちぐされになります。
正しい、そして自分のクセに合った手入れをして、世界に一つしかない自分だけのグローブにチューンアップしてください。


 グローブの手入れ法

革にキズをつけない柔らかいブラシで、泥やホコリ落とす。

縫目のなどの細かい部分も、念入りにブラシをかける。

グローブオイルを全体にムラなく塗り込む。(エアゾール式もある)

乾いた布で、ていねいに磨く。

二週間に一回は、保革油を塗っておく。そして、常に適度な柔らかさを保っておく。

グローブのつやを出したい場合や適度に固くしたい場合は、専用の液を使う。しかし、捕球面には、塗らないように。


 雨で濡れた場合

汚れを落としてから、内部に新聞紙などをつめ、風通しの良い所で陰干しをする。

乾いたら、保革油を塗って手入れを行なう。

火にあぶって急に乾かすようなことは、絶対にしないこと。


 シーズンの終りに

捕球面にボールを入れ、グローブを軽く折り曲げた状態で、ヒモでしばり、湿気の少ない所に保管しておく。

このようにしておくと、次のシーズンに使う時にも形くずれせず、最初から最高の捕球感を発揮します。


栄養を知らないで勝利者にはなれない

 練習やトレーニング中にやる気が無い、他律的にやらされている、後半になるとバテルなどの光景がしばしば見られます。

これらの原因の一つとして、身体のコンディション不良があげられます。

このコンディションづくりに密接にかかわるのが栄養素です。

「練習さえガッチリやればよい」とばかりに、ヘトヘトになるまで練習をがんばる一方、そのストレス解消を食べ物に求め、好物を腹いっぱいに食べる人がいます。

 トレーニングの苦しさの割に、その成果はあがりません。

長く続けていると、栄養素の偏りが原因で、病気やケガさえ起こしかねません。


1. 基礎コンディション

 試合期のコンディショニングは、いうまでもなく基礎体力と専門体力をトップの状態に保つことである。

このことは、必然的に健康管理と自己管理に結びつきます。

 (A) ケガや事故に注意し、万一なった時は、早急に手当てを行なう

 (B) 日常生活を規則正しく、暴飲暴食は避ける
 
 (C) 夜更かしはせず、十分な睡眠を確保して、疲労を翌日に残さない → 8時間は欲しい(早寝・早起きに心がける)

 (D) 食事は、しっかりと摂ること(気力・体力はお腹から沸いてくる)


2. コンディション作りのための栄養

 スポーツ栄養は、主に筋肉組織を発達・強化させるためのトレーニング期、体調を整えるコンディション調整期、そして試合期の3つに分れる。

このうち、コンディション調整期の栄養の摂り方が、"トレーニング効果"を、試合当日に発揮出来るかどうかの鍵を握っている。

 一般に、トレーニング期はタンパク質中心の食事で、調整期から試合期にかけては、糖質中心の食事が良い。

 また、試合を控えたコンディション調整期に、スタミナをつけるために、肉類や脂肪を多く摂る選手がいるが、酸性食品の過剰となり、疲労感が増し、しかも運動機能を低下させるので避けた方が良い。


(A) 糖質について

・ 選手にとって「ガソリン」の役目をする大切なもの

・ 不足すると、試合途中での集中力やパワー・スタミナの低下をまねく

・ ビタミンB1との連けい

  → 糖質が体内で完全燃焼して、エネルギーに変るには、ビタミンB1 が必要なので、B1 を十分に補給することが大切

    なお、ビタミンB1は熱に弱いことも認識が必要

 糖質を多く含んでいる食べ物

  米飯・もち・うどん・パン・じゃがいも・はちみつ・砂糖


(B)  タンパク質について

・ 運動選手は練習期間中、筋肉の発達のためにタンパク質が使われるので、十分なタンパク質が必要である。(体重1Kg当たり2g)

・ 不足すると、血液中のヘモグロビン量が少なくなって、運動性貧血を起こしやすい。

・ タンパク質所要量のうち40%は、動物性タンパク質を摂る

  → 野球は、スタミナと同時に、瞬発力も要求される。

・ 調整期には、若干、摂取量を落として糖質の補給に心がける

 タンパク質を多く含んでいる食べ物

  獣鳥鯨肉およびその内臓・生鮮魚・豆腐・大豆・ハム・ソーセージ・牛乳・ヨーグルト・チーズ


(C)  脂肪について

 エネルギー量が、糖質やタンパク質の2倍以上あり、かさばらないカロリー源として優れている反面、運動能力を低下させて、酸化物質を体内に蓄積させ、疲労を早める。

・ 過酸化脂肪には要注意!

  → スタミナを奪う、恐い存在

   (例) 使い古しの油・インスタントラーメン・油やけした魚の干物・ポテトチップスなど

 脂肪を多く含んでいる食べ物

  サラダ油・マヨネーズ・マーガリン・バター・ラード・大豆油


(D) ビタミン類などについて

・ B1 : コンディションをよりよくするために、積極的に摂ってほしい。

・ B2複合体 : 不足すると、貧血のような、オーバーワークのような、体が動かない症状が出る。

・ C : 試合や練習後の、関節痛や筋肉痛を減らす。

    ビタミンCの不足は、肉離れ・ねんざを起こす。

・ E : スタミナをアップする。

・ カルシウム : 不足すると、筋肉痛・けいれんを起こす。

・ 鉄 : 鉄分が足りないと、運動性貧血になる。

ビタミンB1を含む食べ物

 御飯・小麦・パン・豚肉・焼のり・大豆・しいたけ・うなぎ

ビタミンB2を含む食べ物

 牛乳・乳製品・卵・豆腐

ビタミンCを含む食べ物

 ブロッコリー・ピーマン・イチゴ・レモン・ほうれん草

ビタミンEを含む食べ物

 小麦胚芽油・大豆油・ゴマ油・キャベツ・卵・ほうれん草

カルシウムを含む食べ物

 ひじき・わかめ(乾燥)・チーズ・牛乳・焼のり・小魚

鉄を含む食べ物

 ごま・レバー・あさり・かき・しじみ・卵・大豆・ほうれん草


3.疲労回復のための食事

 急激に体力を消耗した時はまず何よりも、吸収しやすい糖質を摂ることが大切です。

果糖やスポーツドリンクなどは効果的であるが、同時にビタミンB1の摂取も忘れてはならない。

体内で糖質がエネルギーに変る時、ビタミンB1が使われるからである。

 また、「疲れた時には、スタミナ食が一番」とばかりに、分厚いステーキやコッテリした中華料理を食べる人がいるが、これは間違いである。

 こういう状態の時に、消化吸収に手間取るような食事をすると、弱っている胃や腸をさらに酷使することになるからである。

なお、疲労で胃腸が弱っている場合には、食前に暖かいスープ類を摂り、消化吸収されやすい食品を摂るようにすると良い。


4.スポーツドリンクについて

 練習中や試合後の飲用は、とても効果を発揮します。しかし、糖分が多すぎるという欠点があります。

これを2〜3倍に薄めて飲むと最適です。→ 胃からの吸収が良くなる。

 また、一度に飲む量は、500CCが適量で、温度は5℃〜10℃が理想です。

 ジュースの糖分=25% スポーツ飲料の糖分=6%(100CC中)

ジュース・コーラ類は、糖分が多いために血液濃度が濃くなり、さらに水が飲みたくなる。


5.暑い時の食事

 暑さに適応するためにの体温調整にエネルギーが費やされるので、内臓の働きは1〜2割低下し、疲労が蓄積されやすく、スタミナ不足になりがちである。

 それに、不快指数が上がるにつれて、ビタミンB1の消耗が激しくなり、筋肉や神経の働きも鈍くなってくる。

そのため、夏期には特に、ビタミンB1をたっぷり摂ることを心掛けるようにする。

 また、発汗とともに体内の塩分が減少し、血液中の塩分濃度の低くなり、そのために胃液の酸度が低下し、胃腸の働きが鈍くなることがある。

こんな時に、冷たくて甘い飲み物ばかりをたくさん摂ると、ますますビタミンB1不足に拍車をかけることになる。


6.バナナの効用

 バナナは、ポピュラーな果物です。ところが、「バナナや御飯は太る」と信じている人がいます。

 安静時やゆるやかな運動を長く続ける時には、エネルギー源として「脂肪」の働く割合が多くなるが(1グラム当たり、糖質のエネルギーは4Kcal、脂肪は9Kcal)、糖の存在を無視できない。

 脂肪は"丸太"を連想するとよい。燃えれば大きな熱を出す"丸太"も、直接的に火をつけることは難しい。
こんな場合「焚け付け」が必要だが、これに相当するのが『糖』である。

 激しい運動を行なう時の主役は、脂肪を燃やしている暇がないので、『糖』を多く使うことを知っておきたい。

 運動中のエネルギーは、血液中と肝臓に蓄えられている糖質(グリコーゲン)が、燃料として使われる。

 血液中と肝臓の糖質が空になって、つまり燃料が切れてから、はじめて脂肪を燃やして、それをエネルギーとして使うようになる。

 しかし、この状態まで到達させるのはなかなか大変で、フルマラソンでいうと、30q辺りまで走った状態です。

そして、もう一つ。

 脳のエネルギー源は、『糖』だけであることも知っておきたい。

何も考えない時でも、脳で消費されるが、考えたり、集中したりする時は、体内中の『糖』の3分の1以上が脳に動員される。

 運動選手の場合、細かいプレーを考える脳に大量消費された残りのエネルギーのみで、体を動かさねばならない。
体を動かす際のエネルギー源の多くは『糖』である。
緊張の続くゲームで体が動かなくなったり、グタッと疲れる一つの原因とされる。

 この『糖』の元になるのが、ご飯やバナナに代表される炭水化物。
そして、よほど食べ過ぎない限り、太る、つまり脂肪がつくということはない。
余剰になることは少ない。脂肪とは異なった存在である。

 この糖質の補給が不足すると、運動効果が現れにくいだけでなく、試合期や、猛練習期の体調を保つ役割のカリウム等の物質がバナナには多く含まれていることにもよる。

 苦しさを求めることが好きな人でも、その苦しさの本質を知って事に臨んで欲しいものだ。


 バナナの青春

 昭和61年、夏の甲子園大会決勝戦の前夜、つまり準決勝が終わった夜、勝ち残った松山商と天理の夕食の比較がテレビで放映され、話題になった。

 松山商の献立は、「テキにカツ」という発想から、「牛肉のステーキ」と「トンカツ」。

片や、天理のテーブルには「焼めし」と「そば」、そして山盛りされたバナナ。

「何と天理は貧しい食事をしているものだ」という声が多くでた。

でも、宿舎の冷蔵庫には、差し入れで届いた肉が、食べきれないほどあつた。

前日に肉を食べても力はつかないし、疲労も回復しにくい。

精神も肉体も疲れている時は、なおさらである。

先程も述べたが、試合期には糖質中心にすべきなのだ。もちろん優勝したから言うのではない。

 天理のエース本橋は、バナナをよく食べた。もちろん大好きだというのではない。

体調を維持するために、通常、食後に2本づつは食べていた。

 ついでに述べておくと、肘を痛めたとはいえ、周囲の「本橋は体が細いからスタミナがない」という、心配をはね飛ばした原動力の一つに、バナナがあげられる。

ウエイト・トレーニング、糖質……ピッチャーのスタミナはこのあたりからくる。いたずらに走るだけでは、練習効果は半滅する。


チームワークとは?   川上哲治 <元プロ野球監督>

‥‥‥チームワークというのは、人間関係ということに置きかえられると思いますが、人間関係というのは、皆が仲良くする事だという誤解があるようですな。

本当の人間関係というのは仲良くする事じゃなくて、堅い信頼関係のきずなをお互いに結び合う事だといわれますし、そう思いますね。
 ‥‥‥‥‥‥たとえば、ダブルプレーをやるチャンスに置き考えてみるとよく解ると思います。

  ランナー、ファーストでワンアウト。ダブルプレーのチャンスです。

私がショートとしましょう。私の所へ、いい当りが来る。
私は、これをファインプレーぎみに(笑)取る。取ってすぐにセカンドに一生懸命に走る。
一方、セカンドもセカンドベースに入ってくる。

私は走りながらそのセカンドベースめがけてビュッと投げる事になります。

 さてこの場合、近い所から球を投げると、セカンドが取りにくいのです。つかむのが精一杯ですよ。
これを立直ってファーストへ投げダブルプレーを完成するということは、ほとんど不可能です。

  ひとつタイミングが狂うと暴投、パスボールとなり、ランナー一、三塁のピンチを招く。

 ここで問題の暴投が出たとします。ショートの私が「何やってるんだ」と怒る。自分が悪いとは思わない。
私としては自分のペースでやったんだ、あんなものはセカンドがもっと早く入ってちゃんと取なきゃだめだと。

 自分にエラーがついたり、敗戦責任者になったらいやですからね。しかし、これじゃショートの川上はだめですね。(笑)

 それでは、他に何か方法があるか、本当にチームのプラスになるようなプレーがあるかというと、あるんです。

 ショートの私はボールを取ったら、セカンドがベースに入ってくるまで自分もボールを持ちながらセカンドベース走っていく。
そしてセカンドがベースにはいる一歩前で下からトスをするのです。やわらかい球でね。
それも相手が一番取り易い胸元へトスしてやる。
セカンドはそれを取ってファーストへ投げれば、ダブルプレーです。エラーもない。

 という事は、まず自分の方に、連係プレーをする相手のプレーを助けていこうという気持があること。
そしてこれを実行に移してプレーをやってはじめて、連係プレーが成立する。

 つまり「自分のほうでやる」のです。
相手をとやかく言うことではないので、九人が九人ともそうなると、チームプレーがピシャッときまってくる。

 野球というのは連係プレーですから、皆このように自分の方で相手のプレーを助けていこうという気持をもってプレーをしていくところまでくると、水がもれるという事がなくなるんですね。

 トスがたまたま胸元へこないで少し高めにきたとしても、それを何とかうまく処理してファーストへ投げる。
「あいつがあんな球を投げるから苦しんだ」などといわずにね。自分は自分でベストを尽くす。

  お互いその気持でやる。チームワークの原点はこれですね。

                                 (日本経営出版会刊『組織づくりの心に火を燃やせ』)


4月に行なわれるスポーツテストの結果を記録しておこう。

1年次

種 目 / 実 地 日     年   月   日 (   )
握     力 右    Kg  左    Kg
肺  活   量 CC 
背   筋   力 Kg 
垂  直   跳 Cm 
伏臥上体そらし Cm 
立位体前屈 Cm 
50m走 Sec 
走り幅跳び m       Cm 
懸垂腕屈伸  
1500m走 分        秒 
ハンドボール投げ m 
視     力 右         左     
胸     囲 Cm 
体     重 Kg 
身     長 1m      Cm 

2年次

種 目 / 実 地 日     年   月   日 (   )
握     力 右    Kg  左    Kg
肺  活   量 CC 
背   筋   力 Kg 
垂  直   跳 Cm 
伏臥上体そらし Cm 
立位体前屈 Cm 
50m走 Sec 
走り幅跳び m       Cm 
懸垂腕屈伸  
1500m走 分        秒 
ハンドボール投げ m 
視     力 右         左     
胸     囲 Cm 
体     重 Kg 
身     長 1m      Cm 



3年次

種 目 / 実 地 日     年   月   日 (   )
握     力 右    Kg  左    Kg
肺  活   量 CC 
背   筋   力 Kg 
垂  直   跳 Cm 
伏臥上体そらし Cm 
立位体前屈 Cm 
50m走 Sec 
走り幅跳び m       Cm 
懸垂腕屈伸  
1500m走 分        秒 
ハンドボール投げ m 
視     力 右         左     
胸     囲 Cm 
体     重 Kg 
身     長 1m      Cm 


データを取り、自分で記録しておこう。

年  月 身  長 体  重 血  圧 100m走 遠  投
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec
/ Kg Sec

 弱音をはくな くよくよするな

  泣きごとを言うな 後を向くな 

一つ願い 一つをしあげ 

   花を咲かせよ 良い実をむすべ 

         

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