クギの穴
アメリカの有名な大統領、ワシントンの幼い頃の話しです。桜の木を切って、正直にわびたなどから解るように、いたずらが多かったということです。
困ったお父さんは、台所にワシントンを呼び「これから悪いことをしたら、この柱にクギを打ちこむ。悪いことをした数だけ打ちこむ。そのかわり、もし良いことをしたら、クギを1本抜く。」そういうふうに言いました。お父さんは、クギが1本も打ちこまれないように願ったのでしょう。また、このようにすれば、いたずらが減ると思ったのでしょう。
しかし、結果は柱じゅうクギだらけ…… やがて、ワシントンも考えるようになりました。やさしい心をみせる、人に良いことをする……そういうことがあるたびに、お父さんは黙ってクギを抜いてやりました。減ったり増えたりの日々……
ある日、クギは全部抜けました。お父さんはワシントンに「お前はこの頃、本当に良い子になったので、ごらんクギは1本もない」……しかし、お父さんは急にまじまめになり「クギは1本もなくなったけれど、このクギの穴を元どおりにすることはできないのだよ。だから、穴をあけてはならないのだよ。人間は、おかしたあやまちを消しさることは、できないのだよ」
この話し、君たちの子どもにつかえるのでは?
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